0からのリスタート

大切な物を失った男が少しずつ明るく前向きに生きていく日々を綴ります!

【番外編】自分を成長させる~理学療法士として必要な物~

今日は”自分を成長させる”の

 

”人として”ではなく理学療法士としての

 

スキルアップできる事を考えてみる。

 

 

理学療法士として働く中で、

 

「この患者さんのこの筋肉を働かせたいんだけど上手く働かない」

 

そんな思いが日々ありました。

 

 

ふと、以前参加した勉強会で有名な先生がおっしゃっていた事を思い出しました。

 

「どんな筋肉でも、しっかりモールディング出来れば必ず働かせられる」

 

モールディングとは、筋肉を治療者の手で包み込み筋肉の収縮を促すというもの。

 

先生の言うモールディングは働かせたい筋肉のみを、

ピンポイントにつかんでそれだけを働かせるというもの。

 

それは、リハビリ業界でいう”選択運動(分離運動)”を促すという事。

 

ちなみに僕は、選択運動という表現の方が好きです。

 

選択運動とは、使いたい筋肉や関節を選択的に動かせるというもので、

そのためには他の部位は安定的に働かねばならない。

 

実際にやってみるとよくわかります。

 

座った状態で、右手をまっすぐ肩と水平になるまで上げます。(肘、手首はまっすぐ)

 

そこで、手のひらを下に向けた状態で、人差し指”だけ”を上下に動かします。

 

他の部位は動かないように意識します。

 

人差し指以外の指、手首、肘、肩、体幹

 

人差し指以外のすべての関節・筋肉が姿勢を安定させるように働くのがわかりますか?

 

つまり、このように末梢の関節(指)を緻密にコントロールするためには、

 

その他の部位の、”適度な”筋緊張が必要となります。

 

これ全部をひっくるめての”選択運動”であり、

 

考えたこともないと思いますが、この選択運動が、

 

日常生活では非常に重要です。(健常人は無意識に出来ています)

 

脳卒中後の患者さんや、脳性麻痺のお子さんでは、

 

末梢を選択的に使うための、中間関節の筋緊張が、

 

高すぎたり、低すぎたりと、

 

選択運動が非常に難しくなります。

 

その選択運動を改善させるための手技として、

 

モールディングで筋緊張をコントロールさせます。

 

 

ちょっと遠回りしてしまいましたが、つまり何が言いたいかというと、

 

筋肉を選択的に安定させるためには…

 

筋肉をちゃんと促通するには…

 

筋肉の端と端(エッジといいます)を、

 

しっかりと見極めてモールディングして、

 

選択的な感覚を入れてあげなければならない。

 

 

ということは『繊細な触診技術が必要!』

 

これが言いたかっただけです。笑

 

実際、セラピストの方でも、ピンポイントに、

 

触れない方が沢山いると思います。(僕もそうです)

 

実際に僕自身が、有名な先生にモールディングしてもらいましたが

 

筋肉の反応が全然違います。

 

つまり、”なんとなくこの辺”程度のモールディングでは

 

まったく活性化できないという事。

 

 

 

講習会の中では、「どの筋をどのタイミングでどう働かせるか」

 

という事は教えてもらえますが、どこをどうモールディングするかは

 

教えてもらえません。

 

それは当たり前ですが、人間には個別性があり、生活スタイルなどによって、

 

筋肉の位置も少し変わってくるからです。十人十色です。

 

だから、患者さん一人一人、個別的に、しっかり筋を操作できるように、

 

触診技術を磨くために必要な事を考えていきたいと思います。

 

 

 

 

まず第一は、当たり前ですけど

 

『とにかく意識して、イメージして、触診の練習をする』

 

とにかく意義のある練習を積み重ねていかねばならないと思います。

 

でもこれは一人では出来ないので置いておきます。

 

 

 

この記事の主題はここからです!!

 

『指の立体認知覚を鍛える』

 

簡単に言うと指先で触ったものを把握する力です。

 

これがあれば、筋肉を細かく区分化したり、

 

微細な収縮を感じ取れたりと、

 

まさにセラピストには必要不可欠な力!!

 

これを高めるために必要な事を考えてみます。

 

①まずは、指の可動域。

指先でものを認識する時は、皮膚や関節の感覚受容器だけでなく、

筋肉からの情報も重要とされています。

 

よく言われているのが、手の中にある、

 

「手内在筋(虫様筋や骨間筋など)を鍛える」

 

ですが、この手内在筋が効率よく働くためにも

 

筋肉の長さが必要となってきます。

 

つまり、広く大きいほど、手内在筋は働きます。

 

そのためにとにかく指と指の間を広げるストレッチをします。

 

親指と小指が水平に開く位の柔軟性があると、

 

小指で安定させたまま、親指で筋肉を操作したりと

 

治療の幅も広がります!

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②次に、指腹のセンサー機能を高める練習。

 

方法は本とミシン糸(10cmくらい)を用意します。

 

本の0ページの半面の中央辺りにミシン糸を置き、

 

1ページめくり、ミシン糸を覆います。

 

その上から指腹を使って糸を探索します。

 

指が糸を確認出来たらどんどんページをめくっていきます。

 

 

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全神経を指に集中させて、

これで何ページまで糸を探索できるかやっていきます。

 

これを繰り返していくと指のセンサーとしての機能が高まり、

立体認知覚が向上して来ます。

 

やってみると面白いのですが、

左右差があります。(僕の場合 右:45p 左37p)

 

探索していてわかりにくい方(僕の場合左手)では、

 

指先ではなく、手首や肩が疲れてきます。

 

つまり、”左の方が選択運動が上手く行えていない”という事。

 

だから僕は分かりにくいときは必ず右手で確認します。

 

左手のコントールを高めるために体幹~左肩甲帯の

 

安定性も高めなくちゃだな。などと

 

自分認識にもつながりますね!

 

 

 

この練習をしていて思ったのが、

 

盲の方が取り入れている

 

点字

 

点字って立体認知覚必要かな?」

 

 

色々なものに点字はあるけど、

 

気にしたことがなかった。

 

 

興味半分でやってみましたが、

 

めちゃくちゃ難しい。。

 

「なんでこれでわかるの?」

 

ちょっと向きが変わったり、

 

一文字間違えるだけでどんどんわからくなっていく。

 

点字読める人の、指先の繊細な立体認知覚は本当にすごい!!

 

 

これから、趣味として点字の勉強もしていきながら、

 

もっと患者様のために仕事のスキルも磨いてゆきたいと思います。

 

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。